相続法改正の概要

さて、では大きな改正の柱を見ていきましょう。

・「配偶者居住権」の創設

残された配偶者が自宅に住み続けられるようにした制度です。また、婚姻期間が20年以上の夫婦については、相続財産の対象から自宅を外せるようにして、生活の基盤を失わないようにしました。

・遺産分割に関する規定の見直し

主に、持戻し免除の推定規定、仮払い制度の創設、遺産分割前に遺産に属する財産が処分された場合の遺産の範囲の創設です。

こちらは何言っているか意味不明だと思いますので、後日詳しく書きます。

・遺言制度の見直し

自筆証書遺言の形式や保管方法が変わりました。

・遺留分制度の見直し

今までの判例では、遺留分「減殺」請求権の効果は物権的な効果を生じるとしてきました。

となると、例えば遺産が自宅兼店舗のみの場合、この物件が共有状態になる可能性がでてきます。

共有状態では店舗経営しにくいでしょうし、売却等するにも共有者の合意が必要となるため不都合でした。

そこで改正法では、遺留分「侵害」請求権の効果は、完全に債権的なものに留まるということにしました。

ちなみに、「減殺」→「侵害」に名前も変わってます。

・相続の効力等に関する見直し

相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかに関わらず、法定相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができないこととしました。

遺言の有無や、内容を知りえない、銀行等の債権者や第三者の取引の安全に資する改正です。

・相続人以外の者の貢献を考慮する(特別寄与)

個人的には1番注目した改正です。

簡単に言えば、義理の両親を介護した場合に、金銭で報われるようになりました。

これまではどんなに尽くしても、相続人では無いという理由で何も請求する権利がありませんでした。

「嫁なんだからやって当たり前だろ」的な・・・。古いですね。

これからは貢献度に応じて相続人に金銭を請求することができます。

その他の改正

・特別養子縁組制度の緩和

普通養子縁組の制度はよく知られているかと思いますが、特別養子縁組という制度があります。

今までは6歳未満の子に対しての制度でしたが、この年齢を15歳未満まで引き上げました。

色々と厳格な要件はありますが、子供を守ることに繋がる改正かと思います。

・成年年齢引き下げ等の改正

成年年齢が18歳になります。また女性の婚姻開始年齢が16→18歳になります。このあたりの改正も、現代社会に即した改正ですね。

なお、お酒とたばこは20歳から!!