民法改正の概要

さて、私たちの身近な法律である民法が、約120年振りに大改正されました。

そこで、これから施行される部分も多くあるため、とても簡単にですが、概要と要点を説明したいと思います。

「こんな風になるんだ~」「これは関係ありそうだな」等、より改正民法を身近に感じるきっかけになって頂ければと思います。

まずは改正法施行期日を踏まえて、全体像を記載します。

民法改正に伴う諸々の施行日(こんな風に変わっていく!!)

平成30年4月1日   定款約款の反対の意思表示(債権法)

平成31年1月13日  自筆証書遺言の方式緩和(相続法)

令和元年7月1日   民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律

令和2年3月1日   公証人による保証意思確認手続き(債権法)

令和2年4月1日   配偶者居住権新設  配偶者短期居住権新設(相続法)

令和2年6月13日までに政令で定める日   特別養子制度の改正

令和2年7月10日  法務局における遺言書の保管等に関する法律

令和4年4月1日   成年年齢引き下げ  女性の婚姻開始年齢引き上げ

ざっと、これだけのものが変わります。

債権法は約120年ぶり、相続法は約40年ぶりの大改正です。

民法の体系

概要を説明する前に、体系がわかっていた方がよりわかりやすくなるかなと思い、緊急で作った図です。

一口に「民法」と言っても、このような体系になっています。

債権法改正の概要

・契約の成立時期について

今まで隔地者の間の契約の成立は「発信主義」といって、承諾の通知をした時に成立していました。昔はインフラも整っておらず、承諾の通知を待っていると契約の成立時期が遅れてしまうので、それを避けるために、承諾する側が発信したときに契約の成立を認めていたのでした。(旧526条)

現代はそんなことないので、一般原則通り「到達主義」がとられるように改正されました。

・錯誤の効果を「無効」から「取消し」へ

この「無効」と「取消し」は同じような感じもしますが、例えば、「無効」は初めから無かったことということに対して、「取消し」は取り消されるまでは有効といった違いがあります。

・短期消滅時効の廃止

テレビ番組のおもしろ法律問題みたいなので取り上げられそうな、この短期消滅時効ですが、例えば飲食店で「ツケ」をした場合その債権の消滅時効は1年でした。(旧170条~174条)

こういったものが原則5年で統一されます。

・法定利率を年5%から年3%へ

・将来債権の譲渡が有効である旨明記

将来債権が実際に発生すると、譲受人が当然にその債権を取得します

・「定型約款」に関する規定を新設(改正548条の2~4)

ちょっと簡単に説明しますと、例えば駅で切符を買うときJRとの間で契約が成立してます。日々大量の取引が行われますので、画一的な約款が不可欠なのですが、これまでの民法には約款に関する規定がありませんでした。

そこで、今回新設し、約款に定められた細かい条項にも切符を買った瞬間それらに合意したものとみなすことにしたのです。

ですけど、切符買うのにいちいちそんな約款なんて確認しないですよね?

なので、不利な条項は契約内容にならないのでご安心を。

・事業用の融資について

経営者以外が保証人になる場合、公証人による意思確認手続きが必須とされました。

また、極度額の定めの無い個人の根保証契約はできなくなりました。

・意思能力を有しないでした法律行為は無効の旨が明記されました

・賃貸借

賃貸借終了時の敷金返還や、原状回復に関する基本的なルールが明記されました

だいたい以上です。

相続法改正の概要はまた次回書きたいと思います。

また、大きく変わるところはポイントを絞ってもう少し詳しく書こうと思います。

ここをもっと詳しく知りたい!みたいなところが御座いましたら、コメント頂ければ幸いです。