自筆証書遺言の方式緩和

自筆証書遺言は、今までは全文の自書が必要でした。

財産目録も含めて全てです。

財産があればあるほど、相当な負担です。

改正法では、遺言自体は自書が必要なのですが、財産目録については自書が必要ないとされました。(968条2項前段)

但し、各頁に署名押印が必要です。

法務局における遺言書の保管制度

これは個人的にはとても良い改正かと思ってます。

今までの自筆証書遺言は全文を自分で書くため、形式や内容に間違いがあると無効になってしまいます。

また遺言者が自宅のどこにしまっておいたかは第三者にわからない場合が多く、死亡後発見されなかったり、こっそり第三者に改ざんされたりということが起きてました。

また自筆証書遺言の場合、相続開始後に家庭裁判所での検認という手続きが必要なため、相続手続きに時間もかかってしまいます。

概要

(以下、法務局における遺言書の保管等に関する法律)

遺言書の保管申請は、自ら出頭してする必要があります。遺言書保管官は、その際本人確認をします。(4条6項、5条)

遺言者は保管されている遺言書の閲覧を請求することができ、その撤回をすることもできます。(6条、8条)

なお、遺言者以外の者は、遺言者生存中は閲覧を請求することができません。

自分が相続人、受遺者等になっている遺言書が、遺言書保管所(法務局)に保管されているかどうかを証明した書面(遺言書保管事実証明書)の交付を請求できます。(10条)

この保管所に保管された遺言については、検認が必要ありません(11条)

まとめ

上述のように、遺言制度が大きく変わります。

より相続人に対して、自らの意志を伝えることができるようになったのではと思います。

遺言は「意志」のリレーです。

しっかりと後世に想いを繋げましょう。

書き方に不安がある方は、お近くの専門家にご相談することをお勧めします。