こちらは著作者人格権と異なり、権利として譲渡したり譲り受けたりすることができます。

他人が作成したものでも、自分が使用するには契約等で譲り受ける必要があります。

では中身をみていきましょう。

複製権

著作物を「形あるものに再製する権利」です。

コピーが代表例ですね。

全ての著作物を対象とする最も基本的な権利です。

ちなみに、脚本等の演劇用の著作物については、それが上映・上演された時に録音・録画することも当たります。

また、建築物については、元の図面に従って建築物をつくることも当たります。

上演権・演奏権

著作物を公衆に向けて上演や演奏したりすることに関する権利です。

録画の再生等も含まれます。

上映権

著作物を公衆に上映することに関する権利です。

ちなみに、インターネットでダウンロードしたものを、パソコンからディスプレイ上に映し出して公衆に見せる行為も含まれます。

公衆送信権

公衆向けに送信することに関する権利です。

具体的には、テレビ・ラジオでの放送や、インターネット等を通じた自動公衆送信、FAXやメールを用いるものが当たります。

ちなみに、FAXやメールの場合、送る前にPC等の機械に、そのデータをスキャンしたりしますよね。
その蓄積させる行為も含まれます。

まだ誰にも送信してないとしても、権利侵害に当たってしまいます。

公の伝達権

公衆送信された著作物をテレビなどの受信装置を使って公衆向けに伝達することに関する権利です。

営利目的でなく、料金を取らなければOK等の例外があります。

口述権

言語の著作物を、朗読等で口頭で公衆に伝達することに関する権利です。

展示権

美術作品等を公衆向けに展示することに関する権利です。

ちなみに写真の場合、ネガは原作品ではなく、プリントされたものが原作品です。

まとめ

ようするに、他人の物を無断で公衆に伝えるな!ということなんです。

前回までに話した内容を展示権をつかってわかりやすく例示すると、例えば、自分の家に飾ろうと思って、絵画を買ったとします。

この時通常移転するのは所有権だけです。

つまり著作権は著作者が引き続き持っているのです。

自分の家に飾ろうと思って買っただけなのでここまでは問題ないのですが、その絵画があまりにもすばらしいので、他の人にも見てもらいたいと思いお金を取って展示しようと思ったときに、著作権に抵触します。

自分のものだからOK!とはならないのです。

この著作権(財産権)に含まれる権利はまだまだありますので、続きは次回書きます。